企業の基本を学んでから

社会人になるには、入社のための面接試験がある。会社はたくさんあるものだが、その中で勤められるのは一社でしかない。特に正社員ともなれば、複数の会社に籍を置くことは禁じられているので厳選して面接を受けることになる。そのために、会社の将来性や仕事の向き不向き、本人のやりたい希望なども考慮して挑むものだ。面接をした会社から入社の通知が来た時には、誰もが小躍りして喜ぶだろう。親や兄弟、友人からも祝福を受ける。

ところが、入社後毎日の繰り返し業務や作業の連続でストレスが溜まってしまうことも少なくない。自分はアルバイトでもできるような仕事をするために、正社員として入社したのではないと強く思い込むようになる。そのような時に、かつての学生時代の同僚とあって、先方の仕事内容を聞くと「隣の芝生は青く見える」で一層不満がつのるものだ。グズグスしていると置いていかれると思ってしまう。そのような時に条件の良い転職話を聞くと、気持ちは大きく揺れる。給料が1万円も多いとなればすごく魅力的に感じてしまうし、「君は、こんなところで燻っている人材ではない」などと言われると天狗になるものだ。

ところが、20代のうちに身に付けておかなければならない仕事の基本というものがある。日々繰り返し行われる作業は、どこの企業でも同じことで企業存続の基本なのだ。転職のタイミングは、この基本作業を完全にマスターしてからでも遅くはない。転職すると、又、一からスタートしなければならないのだ。